ヤドカリの基本的な特徴

1天 然 記 念 物
2泳 げ な い
3脱 皮 を し て 成 長
4夜 行 性
5寒 さ に 弱 い
6雑 食
7長 生 き
8宿 替 え を す る
9繁 殖 は し な い
10臆 病


天 然 記 念 物

オカヤドカリ(以下@@)は国の天然記念物に指定されています。
最近ではスーパーやホームセンターでも見かけますが実は、天 然 記 念 物 なのです。

- 天然記念物となった経緯
戦後沖縄が日本に変換されるまでの間に、小笠原の@@が減少してしまい天然記念物となりました。
ところが、同時期の沖縄にはたくさんの@@がいて、釣餌、食用に採取されていました。
沖縄返還後、天然記念物の指定を外れることはなく、現在に至るというわけです。

ただ、最近では海岸整備などで沖縄の@@も減少傾向にあり、捕獲できる業者を許可制にして、捕獲量や期間を限定して保護しています。ですので、個人で@@を捕獲することは禁止されています 。


泳 げ な い

オカ(陸)ヤドカリという名の通り、@@は基本的に陸上で生活しています。
ホンヤドカリのように水中では生きられません。間違っても熱帯魚の水槽にドボン!なんてしないでください。死んでしまいます。


脱 皮 す る

硬い外皮に覆われている@@は、脱皮を繰り返すことで成長していきます。
小さなときほど脱皮の頻度は高く、大きくなるに従って脱皮の頻度は落ちていきます。

脱皮は成長するために非常に大切なイベントですが、脱皮直後の外皮は柔らかく体力も消耗するため@@にとっては命がけです。
そのため、脱皮前に砂の中に潜り、外皮が硬くなるまでジッとしています。その間、脱皮した殻を食べて飢えをしのぎます。

もし砂に潜ってしばらく出てこない場合は、掘り返したりせずそっとしておいてあげてください。脱皮中に刺激を与えると死んでしまいます。 私の@@は11月頃に砂に潜って脱皮したまま冬を越し、春に砂から出てきたこともありました。こういった場合は、匂いに注意して臭うようであれば掘り返します。


夜 行 性

@@は夜行性です。できるだけ昼間は明るく、夜は暗い自然に近い環境で飼育します。
人間の生活に合わせると昼夜が逆転しがちですが、これでは@@はストレスが溜まってしまいます。

飼育場所によっては、夜は布を被せて暗く、昼間は蛍光灯を灯けて明るくといった配慮が必要です。
ただし、昼間に活発に動く@@もいるため、エサや水は昼間も置いておきます。


寒 さ に 弱 い

沖縄や小笠原などに生息していることからわかる通り、@@は亜熱帯、熱帯の生物です。15度以下になると仮死状態になり、その状態が長く続くと死んでしまいます。
冬場はヒーターなどを利用して、冬場でも20度以上を保つようにします。


雑 食

ホンヤドカリは海の掃除屋と呼ばれ、オカヤドカリは海辺、陸の掃除屋と呼ばれます。
面白いほどになんでも食べます。人間と同じ料理を出してもいいくらいです(笑)

ただ、小さい生物のため、化学調味料には注意します。私は無添加、無着色の食事を心がけています。


長 生 き

@@はひと夏限りの生き物ではありません。飼育下でも20年、30年と生きることがあるそうです。
通常でも7、8年は生きられるため、購入する際は犬や猫と同じようなスパンで飼育可否を検討してください


宿 替 え

オカヤドカリに限らず、ヤドカリは”宿替え(=貝殻を取り替える)”をします。
宿替えは成長の過程とは関係なく、常により快適な宿探しをします。

自然界では、宿は生死に直結する大切な盾であり宝物です。故に貝殻をめぐる争いも頻発します。飼育する際には、争いを最小限にするために、色々種類、サイズの貝殻を水槽の中に入れます。

しかし、@@の宿探しは本当に興味深い!
明らかに小さいのを選ぶ"テキトータイプ"、おしゃれを優先してやたら派手な貝を選ぶ"おしゃれタイプ"、宿選びも、鋭い眼差しで数時間かけて吟味する”石橋叩きタイプ”、とりあえず入ってみるもののすぐに元の宿に戻る”熱しやすく冷めやすいタイプ”など千差万別です。


繁 殖 は 難 し い

他の甲殻類と同様に、ゾエア(幼少期)は水中で成長するため、飼育下での繁殖は非常に難しいです。もし繁殖させる場合には、栄養たっぷりの海水を用意して人工海岸を用意する必要があります。


臆 病

人懐っこい@@もいますが、基本的に臆病な生き物です。目がとてもいいので動くものを見つけるとすぐ逃げ出します。
観察する際は、水槽の前で石のように固って気配を消します。手のひらに乗せても、動かなければ大丈夫です。他の生物よりは体温が伝わりにくいため、扱いに慣れればスキンシップ(?)はとりやすいです。